カウンセラー コラム2

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コラム2
カウンセリングとは… カウンセリングを“風呂”で考える(2)

・定期的に入る、ということについて

みなさん、お風呂には毎日入っていることと思います(毎日ではない方もいるとは思いますが)。しかも、大体いつも同じくらいの時刻に入浴するという方が多いのではないでしょうか。毎日入る方なら、おおよそ24時間間隔で定期的に入浴している、ということになると思います。同様に、カウンセリングも定期的な間隔(週に1回〜月に1回等)で行われることが一般的です。この“定期的な間隔”ということが今回のコラムのポイントとなります。

お風呂に毎日入っているとあまり考えないことかもしれませんが、定期的にお風呂に入るということは実はそこに一つの安定した状況が含まれているのです。ある程度安定したリズムの中でお風呂に入るということが、入浴の時間・空 間をよりホッとできるものに位置づけていきます。生活リズムに多少の乱れがあるのは普通ですが、あまりにも不規則な生活リズムであると必然的にお風呂に入る時間や頻度もばらばらになっていきます。すると、お風呂はただただ作業的なものになっていき、ホッとできる空間・時間という意味が失われていく可能性があります。

これはなぜかというと、人間はある程度の見通しが安心材料となっているからです。いつになればご飯が食べれる、何時になれば家へ帰れる、等のことは人間にとって一つの安心材料になっています。大体の人は当たり前なのでほとんど意識されていないと思いますが、この逆のこと−いつご飯が食べれるだろう、何時になれば家へ帰っていいのだろう、等のことを想像すれば多少なりともそれらが不安や混乱を引き起こすということが分かるのではないかと思います。これらのことはお風呂に限ったことではありませんが、本来一日の疲れを癒しホッとできる空間であるお風呂も、この不安や混乱の中で位置づけられると効果(意味)が半減してしまう、と考えられます。

カウンセリングでは、次回の予約というかたちで、来談者に無用な不安や混乱が生じることを避けますが、ここにおおよそ定期的な間隔という要素を入れることによって徐々に来談者の中でも見通しがたつようになり、さらに安心感が増していくのです。ですから、来談者の中には日常で多少の混乱があっても、例えば「(いつも二週間間隔だから)あと三日で次の相談日だな」等の思いが安心材料となり日常のささやかな支えになることがあります。先ほどの例になぞらえれば、カウンセラー側から毎回違う曜日や時間の約束をしてくると、来談者の方は無用な不安や混乱が生じる可能性が出てくるわけです。逆にいえばカウンセリングの安定した構造それ自体が来談者の心の安定に貢献する側面 もあります。

また、先ほど述べたことと違って、不規則なリズムの中だからこそお風呂の価値やありがたみも増すのではないか、という考え方もできるかもしれません。カウンセリングで言えば、「今日、心が苦しくなったから(予約は明日だけど)やっぱり今日カウンセリングに行きたい」といった状況です。その時は満足という意味でこのことも間違いではないかもしれませんが、同時にこのことが長期的な意味での心の安定に貢献することもあまりありません。不思議に思われるかもしれませんが、いつでもどこでもニーズが満たされるより、ある程度 定期的にニーズが満たされる方が人間は心が安定していくものです。これは安息の場所が心の中で定点に位置づけられていくことによって普段の安定が促進されていくということと、それにより不安やストレスに対する耐性を培われていく部分があるということによります。また、2週間なら2週間、悩み事を来談者なりに考えたり問題への対処をしてもらうことによって、カウンセリング の時間をより有意義に使えるようになりますし、来談者の潜在的な問題解決能 力も発現してきます。

いつでも好きな時にカウンセリング、というシステムの方がカウンセリングルームとしては利益も増えるかもしれません。しかし、これはカウンセラーへの過剰な依存が生じ来談者の悩みの解決を結果的に遅れさせる(足を引っぱる)ということにもなりかねません。(現実的にも、カウンセリングが一対一の構造である以上、いつでも好きな時に来室するということは成り立ちません)。単なる予約や定期的な間隔ということにも、このように見落とせない意味が含まれているのです。7日連続で毎日カウンセリングということと、2週間に1回のカウンセリングを約3ヶ月ということでは回数は同じでも意味が全然違ってきます。ですから、状況や気持ちが落ち着いてきた方にとっては月に1回のカウンセリングということでも十分に意味はありますし、情緒的に不安定という方は“いつでも好きな時に”というわけにはいきませんが短い間隔=週に一回等でのカウンセリングをお勧めします。

今回は、お風呂という比喩を使うには少し無理が…(笑) それでは、また。

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